『学習意欲の心理学』 自ら学ぶ子どもを育てる 桜井茂男著 誠信書房 1997

 「やる気」の正体をつきつめると、結局は「脳内物質」の様です。

「やる気」とは、「脳内物質アセチルコリンを分泌させることにより発生する」から、みんなでつくろうアセチルコリン!

これで片付けてしまっては、教育はとても虚しいものになります。人の心について、大抵が「脳内物質の所為で」となることに、科学のスゴサとムナシサを感じるのは私だけでしょうか。

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本書に出会うまでは、私の「意欲を育てる」指導は「外発的動機付け」を中心に置いたものでした。

「これが一番にできた人には、○×をプレゼントします!」

「これができなかった人には、宿題の分量が倍になります!」

なんて幼稚で浅はかな指導でしょうか。生徒の意欲が発揮されるのは「ほんの一瞬」だけです。育てるなんてとんでもない。はげしく自省しています…といいつつ、今でも調子に乗ってプレゼント!はやってしまいます。お祭り好きな性格なので...

本書を初めて手に取ったのは、いよいよ自分が学習塾をはじめようかという頃でした。

それまでもボランティアで空手道場の子どもたちの勉強を見させてもらっていましたが、当時の私のやり方はまさに「アメとムチ」を使った「外発的動機付け」の指導だったのです。

空手道場では「強くなりたい」という生徒たちの憧れの気持ちがあったため、特に労力を必要とせずに「内発的動機付け」重視の指導ができていました。

しかし勉強となると「できることなら勉強したくない」という後ろ向きの気持ちからスタートする場合が多いために、どうしても導入として「外発的動機付け」重視 の指導が必要だと私は考えていました。

・・・それは私の思い込み、間違いだったのです。

「内発的動機付け」重視の指導というのは、相手を理解し、相手の気持ちを汲み取りながら、相手にあわせつつ実践していく「自分自身でやる気をコントロールできる」指導です。

本書でそれを学んだ事は私にとって大きな財産でした。

いや、知識としてはほとんど知っていた事ばかりなのです。

しかし「知っていた」けれど「徹底できない」現状がありました。

自分の意識の不足もあったと思います。

本書を傍らに置き、何度も繰り返し読み返すことで、本書に書いてある「あたりまえ」のことを自分の身体に浸透させていく日々。

それが無ければ、私は今でも「どうしたら生徒がやる気になってくれるのだろう」と不安な日々過ごしていたことでしょう。

このようにして本書を紹介しているのは、もちろん、今生徒指導で悩んでおられる先生方、これから子どもにモノを教える人間になろうとがんばってみえる方に、ぜひ一読をお願いしたいからです。

そして読んで終わりではなく、本書にあることを愚直なまでに徹底することで、あなたの大切な生徒たちは学習意欲を自ら育ててくれるものと信じています。

「意欲」とは人の心です。ですから手に触る事はできません。

私も偉そうに主張していますが、今でもやる気の無い生徒に手を焼いているのです。 100%うまくいっている、なんてことは無いのです。

しかし以前抱いていた不安は全くなくなりました。

正しいプロセスで、根気よく生徒と向き合う事で、きっと学習意欲を持ってくれる様になるという確信を持っているからです。

そのための基本的な知識は、本書で手に入れました。

 

書店では手に入りにくいですが、お取り寄せいただくか、Amazon.comなどインターネット書店から手に入れる事ができます。

オススメの一冊です。

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